宇宙、芸術、人間性
私たちは宇宙に生きる意味を、どのように見出せるだろうか。
私たちは宇宙に生きる喜びを、どのように分かち合えるだろうか。
宇宙はすべてを包括し、人間は宇宙の一部である。小さな素粒子から果てしない宇宙空間まで、人に知覚されるものと知覚されないもの、因果や不確かさを示唆する。宇宙の視点から捉えると、ミクロとマクロ、内側と外側、様々な物事がつながっていく。
宇宙、芸術、人間は共にある。創造的な調和は希望によって導ける。こうした信念から、宇宙の本質に触れる詩的な表現を模索し、他者や社会と分かち合うことを志向する。宇宙にも人間性にも、内なる美しさがある。それらが共鳴し合う、時間と空間の花を今ここから開きたい。
田中ゆり
略歴
美術博士。京都市立芸術大学、CERN（欧州素粒子物理学研究所）客員研究員、ITACCUS (International Astronautical Federation Technical Committee for the Cultural Utilisation of Space) エキスパート。
宇宙と芸術の交わる実践を基盤とした学際研究を通じて、宇宙の内なる美しさから新たな美意識を見出すことを試みる。多様な要素を包括する「宇宙」を中核のアイディアとして、対話を主軸にしたアートディレクションによって科学者、芸術家など多領域の専門家と協働して研究・実践を行う。国内外の科学・芸術の祭典や公共空間を主な現場としてインスタレーション等を展開する。