Yuri Tanaka

コンセプト

– 花の雪

舞うように、降る春の細雪。
触れるのが怖いくらい、繊細で、無垢な姿をしている。
触れたい切望に駆られる私の心は、なぜだかほのかに温かい。

きっと触れると消えてしまうから、触れたくなくもある。
そうした不思議な距離感の中で、おそらく私は、雪に恋をしていた。
あるいは、雪と私の間にある何かに。

ある日、雪は花のように舞い降りて、私はたくさんの花の雪に包まれた。
初めて触れる花々は、とても柔らかくて、とても優しかった。ひとつになれた気がした。

こんなに冷たいのに、こんなにも心は温かい。

目を閉じて、ふと見渡すと、もうどこにもなかった。
刹那の温もりだけが残った。

花の雪と交わりたい思いと、溶け合いたい思い。
本当はただ、すべてを包み込んで欲しかった。
温もりを分かち合いたかった。

そうして私は雪を思い、宇宙の美しさに触れ、喜びを分かち合った。