Yuri Tanaka

コンセプト

花の山に降り注ぐ太陽の光、約10万年の時間と空間を超えてやってくる。
無数に生まれて消えていく、宇宙の物質。

栗の木の木漏れ日の下で感じられる温もりは、とても暖かくて、どこか懐かしくて、なんだか愛おしい。
ずっと傍にいられるような気がした。

太陽から降り注ぐ素粒子、優しい風のような音がする。
木々の葉が揺らめいて奏でる、ささやかな空間の音。

いつしか崩壊する物質。眠るように、新しいエネルギーを孕みながら。
永遠だと信じていた、あるいは信じることで安定を求めようとしたものは、儚くて、いつしかなくなってしまうものだった。
どうして今まで気づかなかったのだろう。いつもこんなに温かいのに。

信じることを確かめる手段を求めて、旅をした。
たくさん傷ついて、たくさん失った。
ただ、どれだけあがいても最後に信じられるものは、人の心だった。
大切な人と、自分自身の自由な心と心の重なり合い。

この森に星が還り、花の雪が降り、生命と、心が生まれたら、私たちはどのような夢を見て、そして宇宙はどのように変わることができるだろう。